イコロの森


工藤敏博の植物日記ジャンピングローズ
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花展
昨日は風もなく穏やかな秋晴れでしたね。油代も若干下がったことから郊外へ紅葉狩りに行った人も多いのではないでしょうか。
私は家でお尻に火の付いた原稿や資料やらで一日中デスクワーク。休日の人混みの多い時は動くと移動時間かかるのでできるだけ休日は動き回らないようにしてまーす、と負け惜しみですがね。

花展_f0160407_553896.jpg
日中、気分転換に今日まで丸井さんでやってる「全道いけ花美術展」を覗いてきました。
単独の団体での花展より、複数の団体が一緒に出展しているのでヴァラエティーがあって面白い。今回で46回目とのことですが、結構毎年のように見ている気がします。
生け花は、フラワーデザインや寄せ植えの基本的なものだし、拡大解釈すれば造園的要素とも共通したところがあり、何かしらのインスピレーションを受けることもままあります。昔少しかじったことがあり、デザイン的なものなどには結構役立っていると思います。
上の写真は、〜古流の作品。完成度は別にして数ある中で最もシンプルなものでした。花器の選択も良い。ツバキの枝2本だけ、それも花なし。S流やO流などの派手なものよりじっくり見入ってしまいました。

花展_f0160407_563651.jpg
そして外に出て、南1条通りに並ぶ寄せ植えコンテナ。南1条何とか協議会で毎年寄せ植えコンテストをやり、道路沿いにコンテナを並べていますが、これは統一規格のいちばん数多く並んでいるものです。
これ良いです。花を入れているものもありますが、花はいらない、このタイプのものが良いです。
色みの少ない欧米の街と違って無秩序に色が溢れる街なかでは緑が生きます。徹底的にこの路線でいけば、街なかでの植物の利用価値も納得できます。窮屈に詰め込まれていない、植物が疲れてないのも良いです。
溢れんばかりに育っているセンテッド ペラルゴニウム(ニオイゼラニウム)、懐かしい品種ですが、これって百合が原公園→サンガーデンものですよね。懐かしくて思わず葉をゴシゴシして香りを嗅いでしまいました。
ってことは、このコンテナはサンガーデンかな? そうですよね?

花展_f0160407_573023.jpg
帰り道、大通公園12丁目でバラの花見。
写真はラバグルト(Lavaglut)、1978年、またまたKordes作出のフロリバンダの黒バラ系。花名は「灼熱の溶岩」という意味です。別名イントゥリーグ(Intrigue)ですが、この名前はアメリカWarriner作出のJ&Pの同名の紫花の品種の方が有名ですね。ややこしいですが。
HTやイングリッシュローズの黒バラ系ほどではないにしても、この時期の花はかなり濃い。ドイツではやはりよく見られ、複数を密に植えて使われていた場面が記憶にあります。秋のインパクトが見せ場です。
それにしても大通公園のものは苦しい。比較的強健なんですがほとんど落葉して緑少ない。おそらく夏からでしょう。
やはり緑は重要です。何とかしてよ!
次回出る花新聞でこのバラ園の取材記事書きましたが、あまり批判的なことは書けないので、ここでチクッと言っちゃいました。
# by geesgreen | 2008-10-13 05:15
トルコギキョウとバラ
トルコギキョウとバラ_f0160407_4324060.jpg
今我が家のシンクの所に置いてある切花、トルコギキョウとバラです。
先日切ってきたバラに、いつのまにか家内が買ってきたトルコギキョウが一緒に入っています。
家内はちょくちょく切花を買ってきては飾ってます。こそこそとした動きです。何やら私が気に入らないだろうからとのことですが、一度もそんなこと言っていない!
見てる目でわかるそうですが、そんなことないのになー

閑話休題 、
バラは故鈴木省三氏が1988年に作出したフロリバンダ‘桜霞’です。
何とも言えないピンクから白のグラデーションが魅力で、日本人の感性が感じられる素晴らしい品種と思います。
それにしても、‘桜霞’の花色、花の大きさものせいもありますが、どれがトルコギキョウでどれがバラなのかわからなくなるほど似た者同士ですね(2輪のトルコギキョウが入ってます)。
でも、香りが弱い‘桜霞’でもほんのりと香りがするのに、トルコギキョウは全く香りがない。香りがないのでお見舞いなどにも利用できるとは思いますが。

切花では非常に人気のあるトルコギキョウは、道内でも各地で切花生産が盛んです。サカタやタキイなどの大手種苗会社は育種に力を入れており、日本が品種改良の中心になっているようです。前に東神楽のサカタの圃場を見学に行った時、トルコギキョウ専用のハウスや換気設備が考案されていて驚いた記憶があります。
トルコギキョウはリンドウ科エウストマ属(Eustoma)の植物で、トルコとは何の関係もなく北米を中心に分布する一年草で、開花期の夏が高温多湿の日本では屋外で育てることは非常に難しい。ちなみにトルコギキョウの名は、蕾の巻きがあのターバンに似ていることから。
以前無謀にも花壇植えにしたことありますが、ナメクジで葉はメタメタ、病気で蕾も咲かず散々でした。確か植えて10日くらいで抜いてしまったはずです。

バラに限りなく近い花形に改良されていることもあり、‘桜霞’にも通じる日本人の感性には好まれることから、世界でも日本での人気は突出しています。
でも、管理された施設栽培でしか鑑賞に耐える花をつけることができない、太陽の下で元気に育たない、香りもないしー、棘あってもいいじゃん・・・
おっと、そんな思いが顔に出るのでしょうか?
# by geesgreen | 2008-10-11 04:33
バラの評価
昨日日帰りで羽幌ばら園に行ってきました。
冬囲い直前のこの時期に多くのバラの生育を見比べることは、自分なりに各品種の評価をするにはよい時期と思っています。
同じ環境、管理下で長い期間生育を続けてきた訳ですから、品種間での生育違いがはっきりと出ます。
とくに葉の茂り(=耐病性ですが)と連続開花性が見極められます。

バラの評価_f0160407_457259.jpg
上の写真はフェアリー レッド '92(Fairy Red '92)です。蕾多く開花が続き、葉の病害もほとんど見られず、300種類程度植えられている中では非常に目立ちます。
品種名通り1992年、ドイツのLiebig作出のポリアンサです。イギリスのHarknessが1982年に作出したフェアリー レッド(Fairy Red)の枝変わりと思われます。フェアリー レッドはどちらもポリアンサの銘花であるザ フェアリー(The Fairy)とイエスタデー(Yesterday)の交配種です。耐病性と連続開花性に優れるのは納得できます。
フェアリー レッド '92の方がフェアリー レッドより、連続開花性と花つきのよさに優れます。改良版と言えるでしょう。
赤花の深みのある花色には渋さも感じられます。
以前国内でも少し流通していましたが、現在では見られません。???です。来年少量ですがGee'sとイコロの森で販売できそうです。
ちなみにフェアリー レッド '92は、日本では修景用のバラとして扱われるものだと思います。
この「修景用のバラ」という言葉は、どうもピンと来ません。海外ではシュラブかポリアンサの系統とされます。
切花目的は別でしょうが、庭で使うバラは多かれ少なかれ修景用です。
個々の花も重要ですが、それ以上に木姿、葉の緑が庭全体の景観には重要と思います。

バラの評価_f0160407_458468.jpg
次はハイデリンド(Heidelinde)、ドイツのKordes、1991年作出のフロリバンダです。
こちらも間断なく開花が続き、病害も受けず照葉がよく茂っています。耐寒性にも優れ、この時期の羽幌ばら園ではフェアリー レッド '92とこのハイデリンドが一際目立ちます。
北国に適する耐寒性、耐病性に優れる品種は圧倒的にKordesが強い。でも、品種の入れ替わりが激しく、このハイデリンドも現在ではドイツでも入手できません。
残念。他にもKordesの古い品種には使いたいものたくさんあるんですが、「もう作ってないよ」とのことで残念。

それにしても上の2枚の写真、写真では全然魅力が伝わりませんね。
写真下手です。ごめんなさい。
それでもう一枚。

バラの評価_f0160407_5125394.jpg
シカゴ ピース(Chicago Peace)。アメリカStanley、1962年作出のご存知ピース(Peace)の枝変わり。ピースファミリーの銘花です。
なんじゃちょっと色濃いピースじゃん、と思われますが、花が進むともっと外弁のオレンジピンクが全体に広がります。本州では全くのピンク花のように開花する場合が多いようですが、北海道ではピースの濃色版のような花色になります。こちらの方がより魅力的と思います。
やはりHTには個々の花の魅力があります。

花の魅力と木姿、両方の魅力を兼ね備える品種が優れた品種と言えるでしょう。
でもこの羽幌のシカゴ ピース、下葉がかなり落ちていました。
同じ土俵、管理ではやはり無理あるなー。
# by geesgreen | 2008-10-09 05:05
ハマナシの紅葉
ハマナシの紅葉_f0160407_4531575.jpg
一昨日立ち寄った岩見沢公園、駐車場横のハマナシの垣根です。
ここ数日の朝晩の冷え込みでかなり葉の黄化が目立ってきました。札幌より進んでいます。
キネンシス(コウシンバラ Rosa chinensis)の血が入る四季咲きのモダーンローズはまだ緑濃い状態。暖地性の性質を受継いでいるので、寒さに対する感受性が備わっていないためでしょう。かなり秋深まって雪が散らついてきても緑の葉を保ちます。
それに比べて北国で生き抜いてきたハマナシは、微妙な気温の低下を感知して冬越しの態勢に入ります。さらに耐寒性の強いグラウカ(Rosa glauca)などは早々と落葉を始めます。厳しい冬を乗り切るために身につけた防衛本能でしょうか。
大雑把な言い方ですが、秋深まっても葉の緑が濃いものほど耐寒性が弱い、耐寒性の目安になります。冬囲いの方法を選択するにも目安になります。ただし栄養状態や土壌水分の影響、当てはまらない品種もありますが。
昔はハマナシが落葉を始めたらモダーンローズの葉むしりを始めました。モダーンローズはいつまでも葉が青々としていますから、休眠期の目安にしていた訳です。

ハマナシの紅葉_f0160407_513969.jpg
上の写真は、昨日伺った「札幌ばらの会」会長の高木さんのお庭のバラ。
全てHTですから当然まだ葉は緑濃く、これから開花する蕾も多くあります。
それにしても病害が少しも見られない! 春からこの時期までどれほど緊張感を持って管理していたことか、敬服いたします。

当たり前ですが、寒さで落葉するのと病害で落葉するのとは別です。
この時期、下葉が落ちて枝先だけ葉が残り、その先に弱々しい花や蕾がついている株をよく見かけます。そんな姿を見るのはこの時期余計寒々と感じてしまいます。
四季咲き性のバラは秋花も大きな魅力です。その管理にはやはり相応の管理が必要で、何よりも気合いが不可欠。気力、体力勝負のところがありますね。
自信のない方は品種の見直しから必要でしょう。
# by geesgreen | 2008-10-07 04:53
ナツユキカズラ
ナツユキカズラ_f0160407_6325311.jpg
ナツユキカズラ_f0160407_6341139.jpg
上の写真は昨日近所で撮ったものです。
ご存知のナツユキカズラ(Polygonum aubertii)です。
例年この時期は開花終盤でなかったかと思いますが、名前に反して今がほぼ満開状態。タデ科なので夏の温度不足の影響でしょうか。
花の少なくなった時期なので非常に目を引きます。
一時期は清楚な花が人気を呼びましたが、最近はあまりに伸び過ぎるため個人の庭では敬遠されているみたいです。
巻きつき植物なので、ホップのように何か絡みつくものがあればどんどん伸びていきます。ただ、冬の落葉期にバサッと切ることができるので、ある程度コントロールはできます。
短期間にカバーしたい目的があるなら最適でしょう。夏の緑も薄緑で涼し気です。

ナツユキカズラ_f0160407_6351133.jpg
この写真はドイツのものです。
石壁から垂れ下がるように植えられています。法面をカバーするグランドカバー的な利用もできます。
ドイツでは同じタデ科のイタドリ(Fallopia japonica)も含め、道路の分離帯など多くの場面で利用されています。
イタドリは日本では雑草扱いで嫌われものになっている感がありますが、植床が限定される分離帯などの場面では、他の雑草をも寄せつけない強健性があるので、頭を切り替えれば利用価値は高いと思います。鑑賞的には葉の裏に白い綿毛がある同じ仲間のウラジロタデ(Pleuropteropyrum weyrichii)なんかは葉枯れも少なく優れます。
もっとも、あまりにはびこるため、斑入りの園芸品種を含め庭の中に植えるのは危険です。イギリスではあまりに増えて問題になっているそうです。

でも、この時期のナツユキカズラの白花、晴れた日は良いのですが、秋雨の中ではちょっと寒々しい感じがしてしまいますね。
# by geesgreen | 2008-10-05 05:35