ツクシイバラ |
先日種苗会社に頼んでおいたノイバラの園芸品種10品種が届きました。
挿し木苗の7.5cmポットのチビ苗です。
全部で10種類あります。
ノイバラは山ほど実生したことありますが、これほど変異は出ません。
葉の光沢や実の形から、予想通りこれらはツクシイバラの花の変異ものに名前を付けたものでした。
大分前に武蔵野シリーズとしてカタログに載っていたものと同じです。
ツクシイバラはノイバラ(Rosa multiflora)の変種としてR. multiflora var. adenochaetaとされていますが、異名(synonym)としてR. adenochaetaとする説もあります。
アデノカエタとは腺毛が目立つバラという意味です。
分類の細分化を良しとする考えはないのですが、葉や開花期、花のバラエティー、その分布域などから、ツクシイバラをノイバラの変種とするには違和感を感じます。
葉の感じからはテリハノイバラ(R. wichuraiana)の方により近い感じがするし、単独種とする方がしっくりします。
このツクシイバラ、宮崎、熊本、大分、鹿児島など南九州に分布し、とくに熊本県の球磨川は最大の自生地で、地元では絶滅危惧種(Ⅱ類)に指定されていることから、「球磨川ツクシイバラの会」という組織があり保護活動が行われています。
その関係者の知り合いが偶然Gee'sのそばに住んでおり、自分が興味あることを知り、ツクシイバラの資料やら写真やらいろいろ頂きました。
下の写真はその中からの3枚です。
実に鑑賞価値の高い原種です。
花つき、照葉、枝の伸び、まさにランブラーそのものです。
海外のバラ生産者のカタログにも載っていますが、非常に人気があり、いつも売り切れです。
ランブラーと括られているものにはノイバラからの園芸品種が多数ありますが、実はこのバラのバラエティーからのもの、あるいはそのものもあるのではないかと思っています。
そんな感じを受けてしまうほど、園芸的にも優れる原種です。
耐寒性も強く、北海道でもほぼ全域で育ちます。
是非現地で開花を見て、できれば採種したいと思っています。
by geesgreen
| 2009-12-08 06:23
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